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僕たちの黄金期。「中村航」の話①

更新日:2020年2月4日




こんにちは。

ステキコンテンツ古川です。

今日はステキコンテンツ代表で小説家の「中村航」の話をします。


彼との出会いは大学時代にさかのぼります。

平成元年、僕は1年浪人して芝浦工業大学に入学し、軽音楽のサークルに入りました。

入学前から計画した通り、バンド活動を始めるためです。

ギターのコードが多少弾けるくらいで、バンド経験なんてこれっぽっちもないのに、やる気と創作意欲は満々でした。

僕は新入生歓迎会で先輩たちのウケを狙い、当時大流行していた長渕剛のドラマ「とんぼ」の小川英二が海に入っていく格好で登場しました。

黒いハット、黒いレインコート、そして黒い傘を無印良品で調達したのを覚えています。

そんなの、ウケるわけがありません。

駄々スベリです。

正確には、優しい先輩方がお情けでリアクションをしてくれていたような。。。

だけど、一人だけバカ受けしてくれた先輩がいました。

それが中村航です。

彼は生まれ年は同じですが、僕が浪人していたので1年先輩に当たります。

以来、僕は中村先輩にかわいがってもらうようになりました。

僕の地元が名古屋、中村先輩が大垣で故郷も近く、話も合いました。

中でもプロレスの話は盛り上がりました。

僕は長州推し、中村先輩は天龍推しだったような気がします。

後に何度もプロレスの試合を観に行きました。

北尾のデビュー戦を観るために東京ドームへ行ったのですが、チケットが完売で入場できず、ドーム脇の部屋のカーテンの隙間から小さいモニターが見え、それを二人で覗き見したのを覚えています。


ある日中村先輩が僕の住むレオパレスにいきなりやってきて、「ドライブに行こう」と誘ってくれました。

初のマイカー「スカイライン」を手に入れたとのこと。

結構遅い時間だったと思いますが、中村先輩、僕、あとは別の先輩一人と同期のマツモの4人で軽井沢へ向かいました。

人生初のミッドナイトドライブです。

軽井沢のどのあたりだったか、もう30年近く前なのでまったく覚えていませんが、あの夜の星空だけは忘れません。

周りに何もない高台の真ん中に立って、夜空を見上げました。

星に手が届きそう、という表現がありますが、まさにそれです。

届くというより、銀河の中にいるような錯覚を覚えました。

あれは僕が見た景色の中で、いまでも一番美しい景色トップ3の一つです。

同期のマツモがなぜかスネアドラムを持参しており、それを一発、スティックで打ちぬきました。

パン!

真夜中の星空に音が吸い込まれていきました。

僕たちも吸い込まれそうでした。

中村先輩の不安な運転で、道に迷いながら埼玉東大宮に帰宅したのは午前8時頃だったと思います。

その日、僕ははじめて大学の講義をさぼってしまいました。

サボりはその日から続き、僕は大学へ行ってもサークルのたまり場となっている音楽ホールにしか顔を出さない毎日が始まりました。

授業に行かず、音楽の仲間とただ楽しく過ごす日々。それが2年続きます。

傍から見るとダメな生活ですが、あれは僕にとっての黄金期でもあり、無敵期であり、なくてはならない放牧期間だったと思います。

その時期に、ずっと僕のそばにいたのが中村航でした。

(続く)

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